2026/02/03 19:57

アンスリウムを育て始めた人の多くが、ある地点で立ち止まります。水は与えている。温度も湿度も悪くない。光も足りているはず。それでも、新葉は小さく、色はどこか白っぽく、次の葉がなかなか展開しない。時には、葉に怪しげなスポットまで出てくる。
こういう状況に陥ったとき、根腐れを疑って、植え替えを検討する人が多いでしょう。今回は、そんな植え替え時の用土の選択肢として、赤玉土の導入を検討してほしいという内容です。本記事では、アンスリウムに赤玉土が適している理由を、植物生理と栽培の視点から解説していきます。
1. 赤玉土とはどんな土か
赤玉土は、関東ローム層を由来とする火山性の粘土質土壌を乾燥・ふるい分けした、日本独自の園芸用土です。
主な特徴は以下の通りです。
・粒状構造で物理性が安定している
・有機物をほとんど含まない
・弱酸性(pH6前後)
・通気性、排水性、保水性のバランスが良い
これらの性質が、アンスリウムの根と非常に相性が良いのです。
2. アンスリウムの根は「空気」を必要とする
アンスリウムの根は、酸素要求量が高く、蒸れに非常に弱いという特徴があります。
・常に湿っているが、水が滞留しない
・根の周囲に空気がある
・微生物バランスが乱れにくい
これらの条件を満たせない用土では、根腐れや新葉の奇形・縮小、成長停止といったトラブルが起こりやすくなります。赤玉土は粒と粒の間に安定した空隙があり、根に十分な酸素を供給できます。
3. 排水性と保水性の「両立」
赤玉土が優れている最大の理由のひとつが、水はけるが、すぐには乾かない(ベラボンとの違い)という部分です。表面の余分な水は素早く排出し、粒内部には適度な水分を保持してくれます。この構造により、
・過湿による根腐れを防ぐ
・乾燥ストレスを与えにくい
という、アンスリウムにとって理想的な環境が維持されます。
4. 肥料設計をコントロールしやすい
さらに、赤玉土は栄養分をほとんど含まない無機質用土です。一見デメリットに思えますが、アンスリウム栽培では大きなメリットになります。
どういうことかというと、肥料濃度を自分で管理でき、肥料焼けのリスクが低く、品種や成長段階に合わせた施肥が可能ということです。
特に高価な交配種・輸入株・実生苗では、「最初から肥料が入っていない」ことは安全性にもつながります。
5. 病原菌・害虫トラブルが起きにくい
また、赤玉土は有機物をほとんど含まないため、土壌菌の急増や、コバエ・キノコバエの発生、腐敗臭といったトラブルが起こりにくい用土です。
アンスリウムで問題になりやすい、根腐れ性を持った細菌や、糸状菌による立枯れといったリスクを物理的に下げられる点も、赤玉土の魅力です。
6. 粒サイズを使い分けられる
ほか、赤玉土は「小粒」「中粒」「大粒」と粒径が明確に分かれています。
用途例でいうと、
・実生苗・幼苗:小粒
・成株:中粒
・大型株、根張り重視:中粒〜大粒
このように、生育段階に合わせて物理性を調整できます。これも赤玉土の強みと言えるでしょう。
さらに、赤玉土は単用でも、パーライト・軽石・バークとの混合でも対応できます。栽培環境(温度・湿度・潅水頻度)に応じた調整が可能です。
このように、流行の用土や海外レシピが増える中でも、赤玉土は今なお「失敗しにくい基準用土」として、強くおすすめできます。根腐れに悩む方などは、ぜひ一度、赤玉土の使用を検討してみてください。
